セカンドオピニオン


法律相談で、既に他の弁護士に委任している
事件について、見解を聞かれることが良くあります。
刑事事件の接見に行っても、
国選弁護人の弁護活動について、
意見を求められることもあります。
しかしながら、
他の弁護士が真剣に取り組んでいる事務について、
意見を述べることは、一般的には、困難なことです。

なぜなら、
相談者が正直な人であったとしても、
事件に関する重要な事実すべてが、
短時間の法律相談や接見中に示されているとは
限らないからです。
仮に、重要な事実が明らかになったとしても、
私には、事件処理に必要な事実的又は法的知識を
調査する必要があることもあるからです。
さらに、セカンドオピニオンの場合、それまでに
相当に事件が進行していて、読むべき記録が
膨大になっていることが多いからです。
このため、
私は、セカンドオピニオンを求められた場合、
正直に他の弁護士の事務処理について、
印象を述べる
ものの、それには、
相談者から与えられた事実の範囲内で、
調査未了で、記録全部を読んでいない状態での印象である
という限定をします。
実際に他の弁護士の事務処理の意味が分からない、
と思うことは、稀です。
刑事事件で既に国選弁護人いる事件について
接見を頼まれたことは、数回ありますが、
国選弁護人の弁護方針が変、と思うことは
ほとんどありませんでした。
弁護士という法律専門職である以上、
一般的な法律問題に関する回答は同じなので、
当然の結果だと思います。
弁護士の担当する事件の多くは複雑な事件です。
弁護士が依頼者の期待した結果を出せないと回答した場合、
当該事案の詳細を知っている既に委任している弁護士に対し、
理由を聞くことが、期待を実現する最適な手段だと思います。
しかしながら、
担当弁護士と相談しても納得できる説明がない場合、
又は説明は納得できるが、違う可能性がないか確認したい場合、
他の弁護士2名程度にセカンドオピニオンを求めることは、
適切な行動だと思います。
ただし、適切なセカンドオピニオンを得るための
情報提供や費用負担は、容易とは言えません。
私も、他の弁護士の事務について相談された場合、
上述のとおり、淡々とできることを答えるようにしています。
ただし、適切なセカンドオピニオンをを提供するためには、
情報提供いただき、それを調査する必要があるので、
相当の費用と労力が必要な場合があります。
なお、私の事務処理についても、依頼者が
他の弁護士に相談することもあるようです。
私の依頼者が、他の弁護士のセカンドオピニオンを聞いて、
安心する場合が多いようです。