裁判所ごとの違い


私の事務所は、東京都千代田区にあるため、
私の事件のほとんどは、
東京地方裁判所本庁(霞ヶ関)、
東京家庭裁判所本庁
です。
ところが、時には、
水戸地方裁判所龍ケ崎支部や
さいたま家庭裁判所越谷支部
に民事再生、成年後見申立などを行うことがあります。
すると、
裁判所ごとの取り扱いの違い
に気づいて、時には驚くことがあります。
訴訟手続(判決手続)は、予納する切手の種類や方法が
違うくらいで、手続きが異なることは多くありませんん。
これに対し、
自己破産申立、
個人再生申立、
成年後見
のような判決手続以外の手続きでは、
裁判所毎に相当に扱いの違い
があります。
最近経験したことでは次のようなものがあります。
東京地方裁判所で個人再生を申し立てると、
全件で個人再生委員として、別の弁護士が
選任されます。
これに対し、水戸地方裁判所龍ケ崎支部では、
個人再生は選任されませんでした。
依頼者にとっては、個人再生委員の費用
15万円が不要になりました。
東京家庭裁判所本庁では、
早期に後見事務を開始する必要がある場合、
審判前の保全処置をとります。
ところが、
さいたま家庭裁判所越谷支部では、
成年後見の必要性が、診断書等で
明らかな事案では、
極めて早く、私の経験では
申立から2日で成年後見開始の
審判が出るので、審判前の保全は
受け付けていない、とのことでした。
また、
東京家庭裁判所とさいたま家裁では、
細部が少しずつ違う、申立書のひな形が
用意されています。
私は、
裁判所ごとに、手続き上の扱いに違いが
あることは、止むを得ないことだと、
考えています。
手続きの違いが、より使いやすい司法へと
向かってくれると良いなと思っています。