示談の効果


刑事弁護の際、依頼者である加害者は、
示談金はできるだけ安く
と希望します。
ところが、
全治10日程度の軽症なら、
数十万円から50万円くらいまで、
重い傷害で完治するなら、
交通事故基準の2倍くらい
強姦等の重い性犯罪なら、
数百万円以上、
財産犯なら、
利得した金額+数十万円
等という大まかな示談金の相場観はあります。
そこで、10月31日に、
示談金が相場の下限よりも安すぎると、
示談の検察官に示談の過程を疑われて、
余り効果がないこともある、
と述べました。
それでは、被害者の強い希望で、
相場の上限近い、金額を支払った場合はどうでしょう。
傷害の場合、示談しても、
さらに罰金を受けることが良くあります。
窃盗でも同様です。
ところが、
被害者主導で高い示談金を支払った場合、
罰金の額で考慮され、
場合によっては、起訴猶予となることもあるようです。

加害者主導で、被害者が請求していないにもかかわらず
相場の上限に近い示談金を支払う場合にも
金額全額が考慮されるわけではないと思いますが、
相当の効力があるのではないかと思います。
という訳で、
資力に余裕があるのなら、
示談金は高めに払っておいたほうが良いと思います。
なお、示談が成立して、
示談書を検察官に提出しても、
なかなか即時釈放とはなりません。

検察官は、
被害者に対し、示談の有効性を調査したり、
示談を前提としてもさらに罰金を課する必要があるか等調査が必要
ということで、
勾留の満期まで勾留されてしまう場合が多いようです。