意見書


医療過誤訴訟の控訴審を受任しました。
一審は十分に治療の結果が悪かったことが立証できず、
裁判所は、原告に支障がないと認定して負けてしまいました。
そこで、後の医師に、後の医師の治療開始時において、
不適切な状態にあることを意見書としてまとめて
もらうよう、お願いに行って来ました。
医療過誤訴訟では、意見書が入手できるかどうかが、
勝敗に大きな影響を与えます。
後の医師が、自分の治療で見た状態を、
医療の素人である裁判官にも分かるように
不適切性を書いてくれるということなので、
大変安心しました。
ただ、医師は、治療のために不適切性を指摘します。
しかし、それは、必ずしも、裁判官が理解しやすいものであるとは
限りません。
法律家は、例えば、
一般的に、上顎のインプラントの
植立位置及び方向は、どのようなものであるか、
にもかかわらず、本件ではどうである、
だから不適切である、
という三段論法を使います。
医療では、必ずしもそういう発想ではないこと、
インプラントのような分野では、
一般的な治療方法が必ずしも確立していないことから、
医師の意見が、法律家に理解しやすいとは
ならないこともあるのが残念です。