婚姻費用、養育費の強制執行


離婚に至る紛争の途中に、
離婚か、別居解消かに至るまでの
婚姻費用を、調停か審判かで決めることが
良くあります。
離婚自体は、離婚自体に応じない場合や、
親権の帰属、財産分与、慰謝料等という、
付随的な条件の話は合いがつかない場合です。
しかし、離婚についての話し合いが
成立しなくても、
離婚か、別居解消かまでの
婚姻費用(生活費)の支払いは、
話し合いが成立する方が、多いと思います。
つまり、離婚自体は、調停で成立しなくても、
離婚を望む側は、調停で決まった
婚姻費用を支払って、
別居期間が経過するのを待つ、
というのが、一般的と思います。
なぜなら、
www.e-gyoseishoshi.com/pdf/youikuhi_konninhiyou.pdf
上記に基づく、婚姻費用、養育費の
算定基準が明確なので(表が作成されている)

審判まで争っても、結果が変わる可能性が
低いからです。
調停や審判で決まった婚姻費用を
支払わない場合は、強制執行が行われます。
もっとも、一般の強制執行同様、
不動産、預金、勤務先が判明していないと、
現実の回収は困難です。
婚姻費用の審判は、2週間経過して、
確定しなくては効力がありませんが、
執行文は不要です(家事審判法13条から15条)
婚姻費用の調停にも、執行文は不要です。
(家事審判法9条1項乙類3号、21条1項但書)
ということ、婚姻費用の審判に基づく強制執行には、
執行文は不要ですが、審判書正本、確定証明、送達証明
が必要です。
調停の場合、調停書正本、送達証明が必要です。
差押えの申立書については、懇切丁寧な解説があります。
www3.ocn.ne.jp/~tdc21/syosiki-map.html#01
婚姻費用、養育費による給与差押えでは、
給料の半額まで、将来の給料まで差押えが
できることになっています。
www.courts.go.jp/sendai/saiban/tetuzuki/fuyogimu.html
公務員等、勤務先が明確で、辞める可能性が低い人は、
婚姻費用、養育費を払わないという選択は、
非常に危険だと思いました。