大阪市 家庭教育支援条例案 には根拠がない


大阪維新の会が、家庭教育支援条例案を 市議会に提出するとの報道がありました。
日経等の報道では、変わった条例案だが、目くじらたてるほどでもないか、
と思いました。
しかし、ひどい条項を含む条例案でした。
www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819A91E2E3E2E0808DE2E3E2E7E0E2E3E09391EAE2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E5

保護者に保育士1日体験義務化 維新大阪市議団が条例案提出へ

 橋下徹大阪市長が率いる地域政党「大阪維新の会」の大阪市議団は1日、子育て支援や児童虐待防止などを目的とした「家庭教育支援条例案」を市議会に提出する方針を決めた。

 保護者自身に親としての心構えを持ってもらうことが必要との観点から、保護者に対し保育園や幼稚園での「1日保育士・幼稚園教諭体験」を義務化するなどの条項を盛り込む。公明との共同提案を目指しており、早ければ5月市議会にも提出する見通し。
 条例案では保護者のほか、「これから親になる人」として、中学生から大学生までに保育園などで乳幼児の生活に触れる体験学習も義務化。市長直轄の推進本部を設置し、発達障害の予防などに関する「家庭教育推進計画」を策定することも盛り込まれる。
 市議団幹部によると、行政による保護者向けの家庭教育支援を明文化する条例は全国でも異例。違反した場合の罰則規定はないが、保護者側が新たな義務を課される内容は議論を呼びそうだ。幹部は「親自身の成長を促し、行政がしっかり支援できる仕組みをつくりたい」と話している。

しかし、障害者、特に発達障害者に対する条項、15条、18条は、
科学的根拠のない、差別的条項です。

osakanet.web.fc2.com/kateikyoiku.html
(伝統的子育ての推進)
第18条

わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する
伝統的子育てとは、意味不明です。
どの時代のことをいうのでしょうか。
周知のとおり、明治期までの乳児死亡率は、高いものでした。
また、発達障害が全面的に予防、防止できるという知見もありません。
逆に、発達障害の原因は、様々なことが言われていて、不明と評価するべきでしょう。
大体、知見は、条例で定める問題でもありません。
障害、何らかの生活上の支障がある人に対しては、
支障がないようにサポートする必要があります。
原因を非科学的に条例で決め付けることは、必要ありません。


5月7日
条例案として提出しないという報道に接しました。
当然でしょう。