認知症高齢者による暴力


2012年11月22日、
NHKクローズアップ現代では、
認知症高齢者による暴力の問題が取り上げられていました。
www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3278.html
介護が必要な認知症の高齢者が300万人を超える中、精神科病院への入院が急増している。その数は全国で5万2000人、12年前の2倍近くになっている。暴力や暴言、妄想などの症状が悪化し、家族や介護施設のスタッフが対応し切れなくなった上での選択だが、症状が改善した後も、家族や施設側が受け入れることができず、入院が長期化、社会的入院が広がっているのだ。さらに、刺激のない入院生活が長く続く中で、認知機能や身体機能が低下するなど、様々な問題が起きている。こうした中、精神科病院が早い段階から本人と家族を支援することで、入院そのものを減らそうという模索が始まっている。増え続ける認知症高齢者をどう支えるのか考える。
高齢者が自宅や施設では対応できないような暴力行為に及んだ場合、
高齢者向け精神病院で対応してもらうしかありません。
一般的には、強制入院の一種である医療保護入院をすることとになります。
裁判所に専任された保護者や、成年後見人、保佐人などの同意で、本人の意思に反してでも入院してもらうことになります。
この番組に出てきた精神科医も、老人向け精神病院が、
最後のとりで
であり、その機能は、維持することを明確に述べていました。
最後のとりでがあるという前提の議論であれば、
つまり、家族や関係者の無限の努力を前提としないということであれば、
認知症の暴力にいかに対処するか、
できれば、退院に導く、という議論は、重要と思いました。
高齢で認知症にかかった方や、
知的障害の方は、自分が意思が十分に伝わらないことで、
フラストレーションが生じていることは、認識できます。
高齢者では、以前とは異なる自分の異常に対応できない、
ことは多くあると思います。
そのいらいらから、暴力が起こるということも、あるでしょう。
そこで、いらいらをとるような様々な方法をとることは、重要でしょう。
ただ、この手の退院施策は、
家族や関係者の努力を求めるだけの切り捨てにつながることが良くあります。
家族関係者をつらくすることは決してない、という前提で、
認知症高齢者が暴力を振るわなくてもすむような環境ができれば良いと
思いました。