意思疎通に困難がある方からの事件の受任


いろりろな理由から、弁護士と意思疎通が円滑ではない方がときどきいらっしゃいます。
弁護士としては、委任者の意思は明確なことがありがたいことです。
意思疎通が困難な方の内、
法律上できないことを要求される方、
自分の意見に固執なされる方、
からの委任は、お断りせざるをえません。
また、財産を管理する能力が全く無い方、
重い精神障害、
重度の知的障害、
重い認知症
の方は、成年後見制度を適用してから、
法律上の争訟手続きをとる必要があります。
しかし、何らかの障害があるが、
概ね精神科医の投薬により病状がコントロールされている精神障害の方、
軽い知的障害の方、
軽い認知症の方
が、離婚等、家事手続き等をとりたい場合に、委任を受けるか悩みます。
弁護士としては、法的手続きの必要があるのであれば、受任を検討せざるをえません。
しかし、意思疎通が万全でない方から、直接、そのまま委任を受けることは、当方の負担が非常に重くなります。
また、精神障害の方の場合、法的手続きをとることにより、病状が悪化することも心配されます。
実際的には、障害のある方の主治医や、サポートをされている方が、法的手続きについて理解されているかをお尋ねすることになると思います。
主治医やサポートをされている方が、法的手続きの実施に反対でないなら、私は、受任します。
訴訟の被告とされた等、法的手続きを実施する必要があるが、本人の意思疎通に障害があり、関係者が法的手続きに理解がない場合、委任を受けるかどうかについての悩みは、深くなると思います。
相手方とされた以上、負け筋事件でも、どのように負けるかが問題となるので、多くの場合、弁護士がついた方が良いでしょう。
しかし、関係者が、理解がなく放置して負けても問題ないという場合、積極的に受任するか、悩むと思います。
私は、依頼者との意思疎通に自信を持てない場合、弁護士会の高齢者障害者の法律相談を紹介します。
www.horitsu-sodan.jp/s_center/oasis.html